清らかな水と豊かな風土に恵まれた但馬出石。その代表的味覚、出石そば。歴史は古く宝永三年(一七〇六)に信州上田より、仙石氏がお国替えとともに、そば職人を連れてきたのが始まりとされています。その後、当地で白磁の出石焼と出合い、小皿に分けて食す今日の様式が生まれました。
挽きぐるみと言われるそばの実と皮を一緒にひく製法が出石そばの特徴です。
石臼で丸引きした粉で打ったそばは黒く、皮の持つ高い香りと独特の食感があり、野趣に富んだ本当の蕎麦の味がします。
透きとおるような白を特徴とする出石焼。その神秘的なまでの白さと、磨かれた技が生み出す繊細な彫刻は、他に例を見ないほどです。国の伝統的工芸品に指定されています。
屋台売りをするそば屋が、持ち運びに便利なので出石焼の小皿にそばを盛って出したのが始まりとされています。のちに出石皿そばとして、五皿一組を一人前とする現在の様式が確立されました。
一、まず、つゆをお猪口にそそぎつゆの旨味を味わう。
二、そばが出てきたら、そばとつゆだけで味わう。
三、そばの美味しさを味わった後で、お好みの薬味を入れ、違った美味しさを味わう。
四、最後はこれ。そば湯でしめてごちそうさま。